これは履歴書ではなく、判断がどのように形成されてきたかを記録したものです。
2012-2017
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それはむしろ、変化の中で方向を絶えず校正していく過程に近いものです。
市場において、一見明確に見える多くの結論は、
しばしば見過ごされた前提仮定から生まれています。
私は、結論が多数に受け入れられているかどうかよりも、
それらの前提が成り立っているかどうかを重視します。
すべての判断には時間性があります。
それらは特定の環境のもとで成立し、
条件の変化とともに無効になることもあります。
この無効化は誤りを意味するのではなく、
判断が存在し続け、修正され続ける一つの在り方です。
不確実性は、ここではノイズではありません。
むしろ、それは判断が継続していくための余地です。
不確実性が早々に取り除かれると、
判断は往々にして立場だけが残ってしまいます。
これから続く内容は、何かを説得しようとするものではありません。
それらは、判断が異なる段階で残した痕跡にすぎず、
成立するかどうかは、時間が経って初めて分かるのです。
—— 宮崎
日本の経済構造が大きく変化する時代に成長。幼少期の生活経験を通じて、マクロ環境や社会サイクルに対する感受性を徐々に形成する。
マクロ経済学、金融市場理論、計量経済学を専攻。在学中は投資研究サークルに所属し、日本のバブル経済末期における市場変動と資産調整を継続的に観察。卒業論文では「国際資本移動と資産価格変動モデル」をテーマとし、後のクロスマーケット研究における理論的基盤を確立した。
国際人材プログラムを通じてモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)に入社。米国本社に勤務する数少ない日本人新人の一人として、リサーチサポート業務に従事。マクロデータベースの構築や業界データ整理を担当し、分析手法およびデータ構造に対する体系的理解を深めた。
株式アナリストとして、日本および米国のテクノロジー・製造業セクターを担当。インターネット・バブル期には、複数の重要な業界レポートの作成および見直しに関与。2003年以降はクロスマーケット戦略研究を主導し、市場間における資金行動およびバリュエーションの構造に関する長期的な観察視点を確立。この期間の主眼は、取引成果ではなく、研究フレームワークの反復検証に置かれていた。
J.P.モルガン(J.P. Morgan)東京に所属。日本の大型株、米国株ADR、半導体サプライチェーン、消費者向けテクノロジー分野を長期にわたりカバー。研究の重心は、個別産業分析から、サイクル構造、資金フロー、企業ガバナンスにおける中長期的変化へと移行。この期間中、大手機関投資家との戦略的対話に複数回参加し、研究結論の検証可能性と表現の慎重さを一貫して重視した。
機関投資家向け戦略会議の講演者として複数回登壇。経営陣インタビューおよび企業分析においては、事実と長期構造を中核に据え、感情的判断や短期的なストーリー化を避ける姿勢を貫いた。
世界市場の大きな変動を背景に、高頻度な金融システムから距離を置く選択を行う。これに伴い判断のリズムも変化し、研究および取引は個人レベルへと回帰。主な関心分野は、大型テクノロジー株、日本の製造業サイクル、ETF配分、トレンド型戦略。日常の作業は、より抑制的かつ安定的なリズムのもと、観察と検証を中心とする形へ移行した。
独立研究者として、市場観察および判断形成の記録を継続。日本のファミリーオフィスおよび高純資産顧客に対し、必要に応じて戦略レベルでの意見交換や助言を行っている。研究関心は、AI時代における資産価格形成、クロスマーケットの資金移動、高齢化を背景とした資産配分へと拡張。判断スタイルは、理性、慎重さ、実証性を基軸としている。
私が注目しているのは、段階的に選び取ったテーマというよりも、長期にわたる観察の中から自然に浮かび上がってきた問いです。
とりわけ、同時に変化しつつあるいくつかの構造に、意識を向けています。
一つ目は、技術環境の変化を経た後、資産がどのようなプロセスで再評価されていくのか。
二つ目は、市場間において資金の流動リズムがどのように移行しているのか。
三つ目は、不確実性が高まる環境の中で、長期的な資産配分の論理がどのように再構築されていくのか、という点です。
これらのテーマに関心を向けているのは、単に注目を集めているからではありません。
複数の市場レイヤーに同時に影響を及ぼしており、なおかつ、いまだ明確なコンセンサスが形成されていない領域だからです。
私は結論を急ぐことはしません。
早すぎる判断は、進行中の変化そのものを見えにくくしてしまいます。
重要なのは、構造がどのように展開していくのかを継続的に追い、どの仮定が現実によって検証され、あるいは修正されつつあるのかを丁寧に見極めることだと考えています。
これから続く内容は、これらの関心に対する答えではありません。
あくまで、それらを軸に積み重ねられた、いくつかの観察と記録に過ぎないのです。
判断が時間の中でどのように形成され、見直されていくのかを、静かに書き留めているだけです。